筑前町の家/Chikuzen house

 

 

Title : 筑前の家 /Chikuzen house

Location : 福岡県朝倉郡筑前町/Chikuzen,asakura,fukuoka,JAPAN

Status : 2008年竣工 /Completed,2008

Structure :木造平屋建/ Wood frame

Site area : 672.41m2

Building area : 116.68m2

Total floor area : 107.31m2

Architects : 松田和也(デザインニコ)/Kazuya Matsuda ( Design nico Architects)

General contractor : 筑羽工務店/Chikuba Construction

 

Photographer : 大野博之(FAKE)/Hiroyuki Ohno(FAKE)

 

「筑前の家」

若い夫婦が暮らすための住宅である。敷地は、福岡市の中心から30kmほど離れた、周辺には麦畑の広がる長閑な風景の中にあり、旗竿状に道路から奥に入ると、広い平坦な600m2ほどの敷地があります。北側に麦畑が広がる開けた環境ではありますが、三方を郊外らしい距離で建物に囲まれた敷地です。

この郊外らしい距離とは、都市部の住宅が数メートルの距離で、隣の家の外壁や窓があったりするのに対して、ここではそれぞれ数十メートル離れた距離で隣地の建物があり、この距離は人の気配や建物の存在は認識できる距離ではありますが、互いに見る見られる事へは、認識し難い距離であります。しっかり見ればわかるが、なんとなく見る見られる感覚では、よくわからない距離だと考えると、どこか不確かな距離にあると感じました。
それは、この地で育ったわけではない施主夫妻においても同じであり、おおらかな環境であるからこそ、外にひらいた空間を望んではいるが、適度に守られた感覚の中で暮らすことを望んでいました。

そこで考えた建物は、2つの長方形の平面をした家型のフォルムの建物が、必要な関係で棟方向にズレて配置された建物です。一つの棟はパブリックな機能の玄関やLDKスペースがあり、道路側に近い位置に配置されます。もう一つの箱にはプライベートな機能の空間(主寝室や子供部屋と水廻)が北側の麦畑に近い場所に配置されます。

二つの家型のフォルムの建物は、2つの棟の方向性と奥行きにより、ズレが強調され、建物のボリュームは単純な箱形の建物以上に大きく感じることになります。

この家型のフォルムは内部空間にも反映され、家型を現す勾配天井の下を人が集まりくつろぐような居場所とし、フラットな水平天井を動線空間とするなど、壁の無い境界を作っています。

このような考えで作られた二つの棟をもった建物は、内と外、建物と敷地、敷地と環境というそれぞれの縮尺に対する距離感を調整しながら、それぞれのスケールで居場所をつくり、適度に守られ囲まれた状態の中に、心地よい開放感を実現した郊外らしい住宅が完成したと思います。(松田和也)

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